京都 東京セメント建材協同組合青年部研修会
11月13日~14日 東京セメント建材協同組合青年部は
京都研修旅行を開催しました。
紅葉の時期に京都に行けるなんて、なんとラッキーなことでしょう!
最初の研修先は西芳寺(苔寺)です。
紅葉の中を足早にお坊さんが通り過ぎて行きました。
京都に来たなと実感した瞬間です。
今回の研修のテーマでもある、参加者全員での写経を終え、
心が落ち着いてから庭園の散策です。
6~7分の紅葉でしょうか、
さすがの苔寺、紅葉と苔の青さの調和が何とも素晴らしく綺麗です。
庭園は上下二段の構えになっています。
上は枯山水、下は黄金池で「心」の字を描いているそうです。
120種類の苔が境内を覆っていて緑の絨毯をひきつめたような世界に見とれ、
思わず感激のため息が出ます。
小屋に入り一休み。
ふと外の景色に目をやれば、そこにも美しい光景が広がっています。
次の研修は、銀閣寺です。
修復工事が完了し慈悲に溢れた銀閣の美しさがよみがえりました。
季節に拘わらず何度訪れても、その美しさに感動します。
ましてや紅葉の時期に散策出来るなんて夢のようです。
庭園上部から銀閣を見下ろせば更にその美しさは際立ちます。
翌日は何班かに分かれて研修が行われました。
我々は、東山 清水寺のふもとを下る、二年坂、三年坂界隈を見学しました。
店舗や旅館が並ぶ坂道には、伝統日本家屋が建ち並び、
土壁・漆喰壁の左官の世界が広がっています。
八坂の塔が見えて来ました。
京都の町並が色濃く残る一帯です。
そこに大好きな小路があります。
「石塀小路」 です。
気を付けないと通り過ぎてしましそうなほど小さい小さい、
京都の文化に触れるにはもってこいの八坂エリアの貴重な路地です。
そこへ入り込んだとたん、風情のある料亭や旅館が建ち並ぶ、
「よう おこしやす」 と優しい声が聞こえるような世界に浸れるのです。
その一画に、以前から京都に来る度に拝見するのを楽しみにしている
素晴らしい ほたる壁 が施されている建物があります。
「ギャラリー 和田」 とお洒落な表札が出ています。
数年前ここを通りかかった時、偶然にも京都の佐藤左官工業所
(佐藤ひろゆき氏)の職人さん 泉氏が塗り替えの作業をされていて、
お話を伺いながら見学をさせていただいたところです。
私にとって、ほたる壁の素晴らしさと、奥深さ難しさを知った聖地なのです。
本物の土壁を前に熱心に見入る青年部の皆さんです。
石塀小路を抜け出た所に構える立派な土塀です。
京都には寺院やお屋敷など、まだまだこの様な大規模な
土塀が数多くあります。
回り込んで覗いて見れば修復の必要な土塀に出会う事が
しばしばあります。
左官さんが活躍する場面がいっぱいあるのも京都の街なんですね。
京都の情緒にたっぷりと浸かった若人達です。
いつも元気過ぎる連中が、少し はんなり したような気がします。
天気にも恵まれ、素晴らしい充実の京都研修旅行になりました。
東京セメント建材協同組合の青年部は、この厳しい状況の中で
部員数を増やしています!
凄いことです!!
こうして一緒に旅する事が出来て、これからの建材店を背負う
皆さんの連帯感の素晴らしさも大いに見せていただきました。
近年益々盛り上がりを見せる若人達に大いなる魅力を感じ、
将来への大きな期待が膨らんだ研修旅行でした。
東京セメント建材協同組合 青年部の皆様、
ありがとうございました
皆様の益々のご発展をお祈り申し上げます。
※ソムリエ雑記再録のため現在と異なる情報が掲載されている場合がございますのでご了承ください。
冨澤 英一
富沢建材株式会社代表取締役。1953年東京都中野区生まれ。昭和26年に父が創業した建材店を2代目として継ぐ。顧客であった左官・故榎本新吉さんに幼少のころから可愛がられ、その縁で『左官教室』元編集長・小林澄夫さん、左官・久住章さん、全国各地で活躍する多くの名工、名人に出会う。以降、左官の技や自然素材に惹かれ、熱心に各地に足を運び、そこで産出する土や砂、石灰などの左官材料を集め、販売している。