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投稿日2010年06月24日

平成会 川越城本丸御殿見学

6月12日(土) 平成会の勉強会が行われました。
今回の勉強会場は、埼玉県指定有形文化財の川越城本丸御殿
保存修理工事の現場です。

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この工事は (株)あじま左官工芸様 が左官技術の粋を結集して、
施工に当たっている大迫力、大規模な物件です。

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入り口前に全員集合。
建物の大きさに驚く参加者の皆さんです。

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当日は阿嶋一浩社長様自ら現場に登場、技術担当の田沢様と一緒に、
現場を案内していただきました。
見学前に建物の歴史や現状、今後の工事の予定など説明がありました。

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いつものように阿嶋氏(左)の居るところ笑いが絶えません。
楽しいハイレベルな見学会の始まりです。
さてどんな演出が待っているのか・・・。

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先ずは外部の施工から、見事な屋根漆喰の仕上がりを拝見します。

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いやー 凄く綺麗ですね!

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瓦が古くなって破損した物もあり雨漏りが発生している状態でしたが、
屋根下地からやり直し、瓦も張り替え見事に修復されています。

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あじま左官工芸が作り上げる屋根漆喰の見事な仕上がりは、
見る者に本物は何かを教えてくれる最高の舞台です。

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新緑に映える白い漆喰の美しさ、素晴らしいです。

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皆さん感動の眼差しで暫しその場に釘付けです。

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左官伝統工法を熟知し、その持てる技量を川越城本丸御殿で発揮する
田沢氏(中央)です。
優しく語る氏ですが、その解説の端々に仕事の難しさを感じ取ることが出来きる
厳しい言葉が。

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困難な修復に対応策を次々と生みだします。
豊富な経験と材料を知り尽くす人のみが出来る究極の技です。

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内部へ移動するとこれまた素晴らしい世界が広がっています。
修復の内容は、柱や梁、床の傷んでいる部分を新材と交換したり、
削り取って別の材料で埋めたりして建築当時の強度に戻す作業を
行っています。
大変に手間と時間のかかる仕事です。

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壁に関しても、木材部分の補強に伴い各場所の状態を調べると
弱わっている部分が多く、中には何故か石膏ボードが使われているところもあり
ほぼ全面的に対策を施す必要があると判断されました。

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いったん壁を全て除去し、竹小舞を編み、土壁や漆喰で復元します。
この大変大掛かりな作業を考えると、歴史的に貴重な建築物の
復元の意味や重みを充分に感じ取ることが出来ます。
平成20年10月から始まり、23年3月完成予定の川越城本丸御殿が、
あじま左官工芸様の手によってどの様に蘇るのかとても楽しみです。
きっと素晴らしい文化財として多くの人々に感動を与えることでしょう。

阿嶋氏、田沢氏の絶妙なコンビで、随所に笑いありの見学会は最高でした。
阿嶋社長様、田沢様、平成会の皆様、ありがとうございました。
工事の安全をお祈りして御礼の言葉とさせていただきます。

※ソムリエ雑記再録のため現在と異なる情報が掲載されている場合がございますのでご了承ください。

土と石灰のソムリエ

冨澤 英一

富沢建材株式会社代表取締役。1953年東京都中野区生まれ。昭和26年に父が創業した建材店を2代目として継ぐ。顧客であった左官・故榎本新吉さんに幼少のころから可愛がられ、その縁で『左官教室』元編集長・小林澄夫さん、左官・久住章さん、全国各地で活躍する多くの名工、名人に出会う。以降、左官の技や自然素材に惹かれ、熱心に各地に足を運び、そこで産出する土や砂、石灰などの左官材料を集め、販売している。

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