小沼充 パオ連続講座
ご報告が遅れましたが、
5月9日(日) パオ連続講座「左官仕事、どろり好奇」
第3回目が開催されました。
講師は東京の小沼充氏です。
テーマは「忍者の磨き」
小沼氏の磨きはいつも左官技法の最高レベルに達する究極の
仕上がりを見せてくれます。
その技話を聞けるとあって会場は満席です。
今までの作品の多くは、木村氏の美術家としてのセンスが加わり、
更に進化してきました。
材料から技法、道具までこだわり抜く小沼氏の世界は、
気が遠くなるほど奥深いものです。
その作品は他の左官職人をあっと言わせた、青松寺本堂の磨きの大壁、
座禅堂の磨き床などのとてつもない大型物件から、
銀座 一草の癒しの大津磨き間仕切り壁など、人々に感動を与えるものを
多く手掛けています。
更に、本物の工法をお施主様や設計の皆様に知っていただく為、
左官工法講習会の講師として全国を飛び回っています。
かまどの制作も小型から大型まで何でもござれ!
洗い出しのかまども素晴らしいものがあります。
これは、晴れやか美術計画 木村謙一氏との共同個展で展示した
作品です。
木村氏のデザインする複雑な型に、見事に大津磨きを施工してあります。
土壁もまるで生きているような躍動感溢れる仕上がりに、
見る人の心が引き付けられます。
磨き、土壁、洗い出し、その他何をやっても一級品。
ここまで来るのにどれほどの努力と苦労があったでしょうか。
でも、更に小沼氏の進化は止まりません。
忍者左官ですから。
何故忍者かと言うと、ある現場でお施主様が小沼氏の仕事振りや、
動きを見ていて「忍者だ!」と思い、忍者の服装を用意して着させたのが
忍者左官の始まりなのです。
何と言う逸話でしょうか!!
左官職人とお施主様の素晴らしい関係ですね。
道具箱も自分でデザインした輪島塗特注品の凄いものです。
高級料亭のお料理を運ぶ岡持でもここまでやるか?の逸品ですね。
時には、旅行カバンとして使う時も??
そのこだわりにも恐れ入りました。
内容の濃い講座も終わりホッと一息の小沼氏です。
京都の山本氏、三重の松木氏、名古屋の加村氏も応援に駆け付け、
講座修了後の懇親会です。
このメンバーが揃えば後は・・・(爆笑)
いやー、勉強になったの、楽しかったので2倍の美味しさ満喫です。
小沼充様、木村謙一様、ありがとうございました。
次回も楽しみにしています。
※ソムリエ雑記再録のため現在と異なる情報が掲載されている場合がございますのでご了承ください。
冨澤 英一
富沢建材株式会社代表取締役。1953年東京都中野区生まれ。昭和26年に父が創業した建材店を2代目として継ぐ。顧客であった左官・故榎本新吉さんに幼少のころから可愛がられ、その縁で『左官教室』元編集長・小林澄夫さん、左官・久住章さん、全国各地で活躍する多くの名工、名人に出会う。以降、左官の技や自然素材に惹かれ、熱心に各地に足を運び、そこで産出する土や砂、石灰などの左官材料を集め、販売している。