久住 章 第7回 漆喰・土壁 技術講習会 富沢建材(株)
5月23日(日) 雨・・・。
富沢建材(株)の第7回 漆喰・土壁 技術講習会が開催されました。
テーマは、久住章氏の 「鏝の話」 です。
またまた生憎の雨ではありましたが、左官材には水が付きものとばかり、
遠方の方も含め160名様ものご参加をいただき熱気溢れる講習会になりました。
前日の会場設営の様子です。
平成会の木村左官工業 木村氏、細井工業所 細井氏、
(株)ヤブ原 濱田氏、東京壁材製造(株) 河内氏にお手伝いをいただきました。
いつもながら大工さんかと思うくらいの見事な技を駆使して準備が進みます。
翌朝準備完了の会場です。
講師の久住章氏と小沼左官 小沼充氏が打ち合わせ中です。
(有)東京金広様です。
鏝屋さんは今回5社のご参加で、朝早くから展示の準備に取りかかって
いただきました。
左官道具の(株)関忠様です。
三木市からはスギタ様、
(株)カネシカ様、
そして、梶原鏝製作所様にお越しいただきました。
9時からの受付開始で、ご参加の皆様が続々とご入場です。
今回は鏝屋さんも受講者の皆さんと一緒に講習に参加していただく為、
ステージ並びに展示をお願いしました。
どの展示も素晴らしく、鏝がとても美しく輝いています。
さあ、久住章氏 「鏝の話」の始まりです。
冒頭から伝わってくる皆さんの熱心さ、凄かったです!
長田左官工業の長田氏にも講師をお願いし、
鏝技を見せていただきました。
更に会場の空気が盛り上がって来ます。
いつもながら気の入った久住氏の声が、参加者の心を引き付けていきます。
土壁水捏ね仕上げに使う鏝から、次に糊捏ね仕上げ、漆喰、大津、
大津磨きの灰土、引土、鉄壁等順序立てて説明が進みます。
それぞれの鏝の形状についても分かり易く図解して、
その性能と特性を教えてくれました。
ワラスサを振るう箕(み)の使い方の説明です。
決してドジョウすくいではありません!(笑)
初めて見る方も多くオオッーと言う声も上がりました。
さっと鏝をとって塗り付けです。
全員の目がその動きに釘付けです。
素早く確実に塗り付ける鏝さばきは見事です。
鏝の握り方、鏝運び、角度など、その動きや力の入れ具合の
一つ一つについて、何故こうするのかの理由を教えてくれました。
だんだん声にも力が入って来て、講師の久住氏も聞く方も
夢中になり時間の経つのを忘れます。
やはり話の内容が凄いです!
4、5時間にわたる鏝の話は無事終了しました。
その後鏝を見る時間を取り閉会となりましたが、
その時の皆さんの鏝を手に取る様子が違ってきたように思います。
久住氏曰く 「時間が足りん!!」
どこまで知識が豊富なのか計り知れません。
今回、ゲストでお見えいただいた久住氏の一番弟子
左官を考える会 代表の植田俊彦氏も、ご挨拶の中で
本当に久住親方は凄いと絶賛されていました。
そして最後に、
「自分で考え鏝を注文して作ること。
これで完成という技術は有りません。
さらに進化し続けるのが技術です。
もっと勉強して頑張って下さい。」
と、締めていただきました。
左官愛溢れる重みのあるお言葉に大変感激しました。
久住章様、貴重な鏝のご講義、本当に勉強になりました。
ありがとうございました。
平成会の皆様のご協力を心から感謝申し上げます。
そしてご参加いただきました皆様、最後まで熱心に受講いただき
誠にありがとうございました。
今後の皆様のお仕事のお役にたてれば幸いです。
皆様の益々のご発展をお祈り申し上げて御礼のご挨拶とさせていただきます。
次回もお楽しみに。
※ソムリエ雑記再録のため現在と異なる情報が掲載されている場合がございますのでご了承ください。
冨澤 英一
富沢建材株式会社代表取締役。1953年東京都中野区生まれ。昭和26年に父が創業した建材店を2代目として継ぐ。顧客であった左官・故榎本新吉さんに幼少のころから可愛がられ、その縁で『左官教室』元編集長・小林澄夫さん、左官・久住章さん、全国各地で活躍する多くの名工、名人に出会う。以降、左官の技や自然素材に惹かれ、熱心に各地に足を運び、そこで産出する土や砂、石灰などの左官材料を集め、販売している。