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投稿日2010年04月03日

左官・久住章 写真家・日暮雄一 パネルディスカッション

3月27日(土)の午後、青山の環境パートナーシップオフィスにおいて、
NPO法人「緑の家学校」の基調講演会が「左官的塾」の共催で
開催されました。

テーマは、パネルディスカッション「土の家」と題して、
左官・久住章氏と、写真家・日暮雄一氏を招き、両カリスマが身体で
感じ取った世界の土建築の魅力を熱く語るスーパー講演会です。

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この日も会場が一杯になる盛況振りで、建築家の皆様が土の建築に
対してどれほど関心をお持ちかが伺えます。

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講師の紹介です。
左官・久住章氏と、建築写真家・日暮雄一氏です。
久住氏には5月の弊社の講習会でも講師をお願いしています。

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日暮氏(日暮写真事務所)はもともと有名設計事務所に席を置き、
数々の近代的大型物件の設計に携わるバリバリの設計マンでした。
その日暮氏がある日突然土壁に魅入られ、その美しさを人々に伝える為
フリーのプロカメラマンに生まれ変り、アフリカや中近東の土着的建物を数多く
カメラに収め多くの人に紹介し感銘を与えておられます。

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講演の内容は、設計の経験を生かし建物を知り尽くした人だから出来る
素晴らしいものです。

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図面の無い土で出来た建物も、氏の巧みな技で図解しとても分かり易く
解説してくれます。

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日暮氏の写真を見ていると、まるでそこに居るような気持ちになって来ます。

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アフリカのリマでは、日暮氏が紹介したあの有名な土建築のモスクの
土壁塗り替え行事を撮影するために、2ヶ月も現地に滞在したそうです。
その他、色々な場所の興味が湧く写真を沢山見せていただきました。
写真の出来映えは言葉を無くす美しさで感動を覚えます。

4駆車に機材を一式積み込みアフリカの台地でアクティブに活躍される
日暮氏の魅力的な姿が目に浮かんで来る公演でした。

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久住氏は日本古来の左官の技術を極めた日本を代表する左官職人です。
その活躍振りは広く世界に及び、ドイツではアーヘン工科大学で教鞭をとり、
世界各地の土壁を見て周り、現代の建築に土の素晴らしさをよみがえらせた
カリスマ左官です。

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イギリスでの泥壁施工の話しや、その他ヨーロッパ各地の版築壁、
日本の伝統的な土壁の仕様など、実際に施工にからむリアルな
話しに皆さん聞き入ります。

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土壁が生きていること、土壁の良さを語りだしたら止まりません。
その語りは熱く多くの人の心を引き付けて止まない久住氏です。

両講師が感じとった土の質感と表情・表現をたっぷりと見聞出来た
非常に中身の濃厚な3時間でした。
改めて土という素材に惚れ直す事が出来た講演会に感謝です。

久住様、日暮様、緑の家学校様、ありがとうございました。

※ソムリエ雑記再録のため現在と異なる情報が掲載されている場合がございますのでご了承ください。

土と石灰のソムリエ

冨澤 英一

富沢建材株式会社代表取締役。1953年東京都中野区生まれ。昭和26年に父が創業した建材店を2代目として継ぐ。顧客であった左官・故榎本新吉さんに幼少のころから可愛がられ、その縁で『左官教室』元編集長・小林澄夫さん、左官・久住章さん、全国各地で活躍する多くの名工、名人に出会う。以降、左官の技や自然素材に惹かれ、熱心に各地に足を運び、そこで産出する土や砂、石灰などの左官材料を集め、販売している。

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