左官勇士の会 カマド伊勢みがき
平成22年2月12日(金)・13日(土)
楽しみにしていた 「左官勇士の会」 が、伊勢の地で盛大に開催されました。
今回は地元左官職人さんの「カマド伊勢みがき実演」がテーマです。
西川和也氏、尾崎孝行氏を中心とした実践的かつハイレベルな交流会の始まりです。
山本氏、松木氏、植田氏、有岡氏、荒木氏が見つめる中、
久住氏が仕上げの最終段階に入っています。
伊勢名物 赤福のカマドを長年に渡り磨き続ける尾崎氏のこだわり談議に
聞き入る皆さんです。
西川氏、松木氏の手の動きを、有岡氏、奥田氏、小林氏が見つめます。
伊勢みがきの独特な輝きはとても魅力的ですね。
こちらは、ピカピカに光った黒磨きを完成させた久住誠氏と技術論で盛り上がる
原田氏、岡田氏です。
今回は真壁の講習会でご活躍の先生、宮沢氏がお見えでした。
浅原氏と久し振りの懐かしいご対面です。
若手も頑張っています。
ものつくり大学で同級生の北河原氏と木村氏です。
良きライバルで将来が楽しみなお二人です。
熱き左官談議があちらこちらで花咲ます。
実演終了後、意見交換会が行われました。
主に材料の調合とレンガ積みの工夫等様々な意見が出され、
貴重なデータを集める事ができました。
そしてスペシャルゲスト、横浜国大の池田先生の石灰についての
ありがたい講義を伺う事が出来ました。
今まで石灰の性質に付いて分かっているようでハッキリと理解出来ていなかった
部分をとても解り易く解説して頂きました。
石灰石から生石灰、消石灰の変化や、水硬性石灰の特徴、セメントとの違い、
日本の漆喰、ヨーロッパの石灰文化の比較等、それぞれの長所、短所など
研究結果に基づく、学術レベルでの講義は非常に参考になるものでした。
何か少し頭が良くなった?気がした勉強会でした!
そして、その夜の懇親会は伊勢の名物料理を頂きながら遅くまで盛り上がった
のでした。
快晴の翌朝は皆さんで伊勢神宮に参拝です。
今日も大勢の参拝客で賑わっていますね。
お清めをしていざ神殿へ・・・。
無病息災 商売繁盛 交通安全 合格祈願 ○×▲□♂♀など、
フルコースで拝んだのでした!!
参拝を終え「赤福」さんのカマドを見に本店へお邪魔しました。
いつもお客さんで大賑わいの赤福さんです。
地元の西川氏を中心に多くの左官職人が腕を振るった建物です。
以前もご紹介したオシャレな杯を型取った飾り壁です。
施工にあたっては、植田氏もお手伝いに来られたそうです。
東京の阿嶋氏もその出来映えに賞賛の言葉を贈られていました。
室内の大津壁の見事な仕上がりと色合いに暫し皆さんの目が
釘付けになっていました。
このお店にあるカマドを見学します。
多くのカマドを制作している日本の左官職人を代表する面々が、
実際にカマドを調理の煮炊きに利用しているお店の方に、
その使い具合や熱効率について熱心に質問をしていました。
こちらのカマドは、本日の昼食をいただくことになっている「すし久」さんのものです。
このように、この地域では多くのカマドが実際に業務用として活躍しています。
そしてその殆どが、尾崎氏、西川氏の手により作られたものなんです。
すし久さんの、「てこね寿司」です。
お伊勢参りの後でいただく何と贅沢なお昼でしょうか。
伊勢の豊かさをしみじみと味わったひとときでした。
実に充実した2日間でした。
左官の事を真剣に考え、その発展の為に真剣に取り組む「左官勇士の会」
の皆さんは、カマドの中で燃え盛る炎のように、いや、それ以上に熱い左官愛の
炎を燃え上がらせて2日間の行事を無事終了しました。
これだけのメンバーが揃い左官のことを語り合う機会はなかなかありません。
その内容はどれほど濃くハイレベルなものか・・・大変勉強になりました。
参加させて頂き皆様に心から感謝申し上げます。ありがとうございました。
西川様、尾崎様、伊勢の皆様、大変お世話になりました。
素晴らしい伊勢の「左官勇士の会」でした。
いたれりつくせりの準備はさぞ大変だったと思います。
本当にありがとうございました。
ご指導いただいたことを今後に生かせるよう頑張る所存です。
そしていつの日か恩返しが出来るように精進して参ります。
「左官勇士の会」 万歳!
※ソムリエ雑記再録のため現在と異なる情報が掲載されている場合がございますのでご了承ください。
冨澤 英一
富沢建材株式会社代表取締役。1953年東京都中野区生まれ。昭和26年に父が創業した建材店を2代目として継ぐ。顧客であった左官・故榎本新吉さんに幼少のころから可愛がられ、その縁で『左官教室』元編集長・小林澄夫さん、左官・久住章さん、全国各地で活躍する多くの名工、名人に出会う。以降、左官の技や自然素材に惹かれ、熱心に各地に足を運び、そこで産出する土や砂、石灰などの左官材料を集め、販売している。