早稲田大学大学院 土壁 動的破壊試験
1月25日(月) 早稲田大学大学院 創造理工学研究科建築学専攻
曽田五月也研究室において、土壁の動的破壊試験が行われました。
凄い実験施設です。
木舞荒壁構造の長さ約3メートルの試験体が設置されています。
平成会の皆さんが施工した物で、綺麗な仕上がりに壊すのが勿体ない様に思います。
写真左側の梁が固定されており、右側の土台に左右の動的加重が加えられ動きます。
梁、土台、柱は実験中に外れないようにワイヤで引っ張ってあります。
1000ラジアン(弧度法)からの試験は既に始まっており、
(柱が3mなので3×1/1000=3㎜の左右の動的加重を加えている。)
現段階は450ラジアンでした。
振れ幅は、3m×1/450の計算です。
まだ目に付くクラックは見あたりません。
試験体の土壁を製作した平成会の皆さんも我が子を見守るようにして
試験に立ち会っています。
良く見るとこの段階で、上の一部に割れが始まっていました。
これは100~75ラジアン位で、少しずつ貫伏せ部分に割れが出始めています。
クラックに赤いマークを丁寧に付けていきます。
50ラジアンではかなり割れが激しく出てきました。
マーキングとスケッチが大変になってきます。
そして、最終破壊試験 15ラジアン(3m×1/15=200㎜)です。
左右20センチ巾で17秒の動的加重です。
いやー激しく割れました。
実際に地震の体験をしているかのような気持になってきました。
この動的破壊試験の結果がどのように出るのかが楽しみです。
想像していたより土壁は丈夫なんだなと思いました。
激しい振動にもっとバラバラになるのではと・・・。
早稲田大学大学院 曽田研究室の皆さんの、
てきぱきと冷静な行動にも目を奪われました。
若い方々が熱心に土壁に取り組んでくれている姿は、
我々の目にとても頼もしく写り感激しました。
皆さんの研究がこれから日本の建築を支えてくれるのですね。
今後益々のご活躍をお祈りいたします。
ありがとうございました。
取材ご指導、山口明様 ありがとうございました。
※ソムリエ雑記再録のため現在と異なる情報が掲載されている場合がございますのでご了承ください。
冨澤 英一
富沢建材株式会社代表取締役。1953年東京都中野区生まれ。昭和26年に父が創業した建材店を2代目として継ぐ。顧客であった左官・故榎本新吉さんに幼少のころから可愛がられ、その縁で『左官教室』元編集長・小林澄夫さん、左官・久住章さん、全国各地で活躍する多くの名工、名人に出会う。以降、左官の技や自然素材に惹かれ、熱心に各地に足を運び、そこで産出する土や砂、石灰などの左官材料を集め、販売している。