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投稿日2011年06月06日

左官を考える会 IN 三重県四日市

5月28・29日 三重県四日市に於いて、
第4回 左官を考える会の講習会が盛大に開催されました。

毎回多くの参加者が集う会場では、いつにも増して若者の熱気溢れる
素晴らしい左官ライブが演じられました。

2日間の日程は内容豊富で、今回はパネルディスカッションも組み込まれた
楽しみなスケジュールです。

開会に際し新しい左官の世界を牽引する 植田俊彦会長のご挨拶です。
北は北海道札幌から南は九州熊本まで、全国から集合した左官の皆さんは
清々しくてカッコイイです。

次に、今回の三重県四日市開催に当たり地元代表幹事であり、
左官を考える会代表講師の松木憲司氏による、テーマの説明が行われました。
全国の講習会の中でもトップレベルの内容に真剣に聞き入る受講者の皆さんです。

2日目には土壁で博士号を取られた、京都の名工 佐藤ひろゆき氏も講師で登場、
素晴らしい解説で参加者の目と耳を引き付けていました。

一斉に実技開始です。
それぞれが持ち寄った色土の塩梅調整が始まります。
いやー 綺麗な土ですね!

各自持参のパネルに髭子(チリトンボ)を打ち込んでいきます。

1人1人に的確なアドバイスを行う松木氏です。
参加者誰もが技を吸収し確実にステップアップしていきます。

皆の視線を浴びる愛知県の安田信雄氏です。

注目の技は、切り返しで水鏝を駆使しての仕上げです。

ンッ! 良く見ると、この鏝 小沼充氏(所有)の師匠、榎本新吉氏のそのまた師匠、
故山崎一雄氏の究極の水鏝です。
この様な鏝に出会え、手に取ることが出来るのもこの講習会の凄いところです。

それを操る安田氏の口から思わず言葉が出ます。
「難し~い・・・」

そして、それを見守る小沼氏が一言。
「よしっ 上手い!」

その小沼氏が漆喰黒磨きの技をお披露目しています。
憧れのカリスマ左官の動きを目に焼き付ける皆さんです。

今回の講習会最大の目玉は、参加者が各地元の土を持ち寄り、
それぞれを土壁として使用する場合の性質を分析評価することです。
多くの土が集まりました。
講師の方々の経験豊富なノウハウで粘土質を見極め配合の指示を受けます。
土によって砂、ワラ、水の配合量の微妙な違いなどを経験していきます。
それをパネルに塗り付け仕上がりを確認する実践的施工になりました。

これはとても素晴らしい試みで、見ているだけでワクワク興奮する企画です。

何と綺麗な土達でしょう。
どれもが生き生きと輝く宝物のようです。

あれっ 岡山の浦上稔晃氏・・・。
手に持つ物は村上粘土ではなく、「浦上粘土」 だそうです。
土も素晴らしいけど、ネーミングが上手い!
座布団 1枚 ものですね!! (笑)

第4回 左官を考える会 四日市講習会も大成功で終了しました。
高度な左官技術の祭典で、参加者全員が得る物の大きい有意義な
内容でした。

今回の講習会を成功に導いた立役者、松木憲司氏です。
お孫さんの飛び入りに甘々のお爺ちゃまに変身した松木氏です。
将来はやはりカリスマ左官・・・楽しみです。

左官を考える会の皆様、参加者の皆様、ありがとうございました。
皆様の益々のご活躍をお祈り申し上げます。

追伸:次回(来年)の開催は東京で行われます。
    左官を愛する仲間達が巻き起こすビックイベント、今から楽しみです。
    皆様も是非ご参加下さい。

※ソムリエ雑記再録のため現在と異なる情報が掲載されている場合がございますのでご了承ください。

土と石灰のソムリエ

冨澤 英一

富沢建材株式会社代表取締役。1953年東京都中野区生まれ。昭和26年に父が創業した建材店を2代目として継ぐ。顧客であった左官・故榎本新吉さんに幼少のころから可愛がられ、その縁で『左官教室』元編集長・小林澄夫さん、左官・久住章さん、全国各地で活躍する多くの名工、名人に出会う。以降、左官の技や自然素材に惹かれ、熱心に各地に足を運び、そこで産出する土や砂、石灰などの左官材料を集め、販売している。

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