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コラム

スサ

収縮クラックの軽減、強度の向上などなくてはならない材料の一つスサ。今回はスサの種類やそれぞれの用途について紹介していく。

スサ(関東ではツタ)とは・・・

左官の塗料材料に混入して使う、藁、麻、グラスファイバーなどの繊維質のものをいう。土壁材、漆喰、ドロマイトプラスター、セメントモルタルに混入することで塗付け後の収縮クラックの軽減、曲げ強度を高める効果がある。さらに、天然の藁スサ、麻スサの特徴として保水効果があり、急激な乾燥を防ぐとともに、鏝伸び、鏝切れなどの作業性向上にも寄与する。

スサの種類

⚪︎藁スサ

主に土壁に配合して使われる。工法別に、荒壁ようには荒壁スサ60mm内外、中塗用には中塗り20mm内外、ヒダシスサ・マルナカスサ10mm内外、上塗用にはミジンスサ3mm以下などの種類がある。

意匠的に藁目を見せる工法もあり、様々なものが使われる。藁スサの作り方は、稲刈りをして米を漉き取った後の藁、または古くなったムシロや藁縄などを切ったり解いたりして水につけ、アクを抜き、それを叩き揉みほぐし用途によって大小にカットする。ミジンスサのように細かくするには、篩やザルで通しながら扇風機で飛ばし、細かくなって遠くに飛ぶものと重く手前に残るものとをさらに選別する。

〇麻スサ

漆喰・ドロマイトプラスターに使われるスサ。黄麻やマニラ麻が原料で、それで出来た麻袋や麻ロープなどの廃品物を10㎜から25㎜程度に粉砕し漂白したもの。繊維質が強く、また漆喰やドロマイトプラスターの白さを邪魔しないのが特徴。麻スサにもランクがあり、軽く濃白して茶色の抜け切らないもの(マニラスサ・白毛スサ・浜スサ等)は下塗り、中塗りなど入れて差し支えないものに使用される。白く漂白されたもの(白毛スサ・さらしスサ等)は概ね高価で、白さを引き立てる仕上げ用に使われる。

〇紙スサ

左官壁の最高レベルの大津磨き、漆喰磨きなどの仕上材ノロに入れて使われるスサ。作り方は非常に丈夫なコウゾ、ミツマタ、ガンピなどの植物繊維で出来た和紙を裁断して水に浸し、絞って木の台に置き硬い棒で叩く。それをまた水に浸けて数回この作業を行い、少しの玉も無くなるまで繊維を完全に解す。これを各仕上げのノロに配合する。

特徴は磨き仕上げをするに当たってノロを薄く練り付け鏡面の用に緻密に鏝で押さえ込んで仕上げるため、固まる寸前までひび割れないように鏝を滑らせることが出来る極めて丈夫で細かい繊維であること。

〇ガラス繊維スサ

ガラス素材を細かく繊維化させスサとして、主にセメント系の材料に配合して使われる。特徴としては、耐アルカリ性能が高く、繊維質が丈夫で材料への分散性に優れ、使い勝手が良い。最近では漆喰、ドロマイトプラスターにも使われる。ただし、藁スサ・麻スサは天然物だが、ガラス繊維スサは化学工業製品であり、現場の仕様により用途が分かれる。

注意点

それぞれのスサは、配合する材料に適量均一に調合することが大事である。特に藁スサ、麻スサは攪拌時に繊維が絡まり塊になりやすいので、練り混ぜる時は少量ずつ分散して混入する必要がある。ハンドミキサーで攪拌する場合、長時間混ぜ続けると羽根にスサがびっしりと巻き付くことがあるのでこまめに取り除く必要がある。

この記事で紹介されている商品
藁スサ 40mm