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投稿日2011年12月19日

漆喰改修工事 長崎 旧羅典神学校

長崎市の旧羅典神学校(国の重要文化財)の改修工事を、
日本漆喰協会の皆さんと見学して来ました。

先ずは町中を散策。
長崎に来るのは初めてなのでかなりの興奮状態です。
路面電車を見て騒ぎ・・・。

出島を散策して歴史に浸り・・・。

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港の船に思いを巡らせ・・・。

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くんち祭りの迫力に度肝を抜かれ・・・。
何しろ息をしているのを忘れるほど夢中でカメラのシャッターを
切り続けた長崎でした。

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そしていよいよ旧羅典神学校の見学です。
世界遺産の大浦天主堂を正面にしてその脇右側の通路に案内されます。

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裏側に回り込むと、おおっ 綺麗に仕上がった漆喰壁が目の前に登場です。
この羅典神学校は1875年(明治8年)にフランス人の
マルク・マリード・ド・ロ神父の設計施工監督により建造されました。
木造の骨組みにレンガの壁を積み、仕上げに漆喰を塗った
日本の伝統的技術を取り入れた作りになっています。
その中に鎧戸がついた窓や階段など西欧建築の技術も組み入れています。

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玄関脇にこの度ご案内いただいた、施工業者 内野工業様の、
左官工事の様子が写っている写真が展示されていました。
我々の為に用意していただいたようです。

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建物の内外壁全てが漆喰仕様です。
漆喰は当時の再現で貝灰を使った特注貝灰漆喰を作り
中塗り、上塗りとも使用しているそうです。

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ほぼ完成の状態で非常に綺麗な仕上がりを見せています。
貝灰独特のほんのりソフトな風合いが美しいです。

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巧みな階段室も曲面をあしらった西欧の技術とデザインが盛り込まれた
超モダンな構造です。

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屋根裏部屋もとても魅力的な空間でした。

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古い歴史のある建築とは思えないモダンな構造です。

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水切り瓦の押さえ漆喰もきっちりと収まっています。
丁寧な仕事振りに感激しました。
復元工事は大変な仕事です。
ここまで完成させるまでの施工に携わった皆様のご尽力、ご苦労に
心より敬意を表したいと思います。

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一通り見学を終え羅典神学校の建つ丘を降りる途中、
大浦天主堂の脇を通ります。
まるでヨーロッパにワープしたような世界です。

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そして、次はグラバー邸に向かいます。
坂道の多い長崎・・・しばらく歩くと素晴らしい町並みがパノラマで開けます。

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ここがあの龍馬が獅子奮迅の活躍を見せたグラバー邸です。
西欧建築の中に日本の漆喰技術も取り入れた実に魅力溢れる建築です。
その時代どれほど龍馬と多くの日本人に刺激を与えたことでしょう。
何か龍馬が「やはり日本の壁は漆喰じゃき!」 と言って現れるような気がしたのは、
私だけでしょうか?

念願叶って訪れることが出来た長崎は、天気にも恵まれ、仲間にも恵まれ
そして、素晴らしい伝統的建造物の見学も出来て素晴らしい時を過ごすことが
出来ました。
日本漆喰協会の皆様、ご一緒いただいた皆様ありがとうございました。

※ソムリエ雑記再録のため現在と異なる情報が掲載されている場合がございますのでご了承ください。

土と石灰のソムリエ

冨澤 英一

富沢建材株式会社代表取締役。1953年東京都中野区生まれ。昭和26年に父が創業した建材店を2代目として継ぐ。顧客であった左官・故榎本新吉さんに幼少のころから可愛がられ、その縁で『左官教室』元編集長・小林澄夫さん、左官・久住章さん、全国各地で活躍する多くの名工、名人に出会う。以降、左官の技や自然素材に惹かれ、熱心に各地に足を運び、そこで産出する土や砂、石灰などの左官材料を集め、販売している。

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